退院した次の日から、私は毎日NICUにいる娘に会いに行きました。
カンガルーケアで感じたぬくもり、搾乳を続けた日々、そして看護師さんや夫との関わり。
この記事では、NICUでの2ヶ月を通して私が感じた母としての思いを記録しています。

NICUでの面会が始まった日々

退院した翌日から、私は毎日娘に会いに行きました。
1番印象に残っているのは、カンガルーケアをしたときのことです。
娘は安心した表情を見せ、私も幸せを感じました。
でも同時に、「せっかく産まれてくれたのに短命だなんて」と、抱きしめながら涙が出ることもありました。

看護師さんは娘のケアだけでなく、私たち親の心にも寄り添ってくれました。
夫が面会に来ると、いつも「背筋を伸ばして」「二人を守ってね」と優しく声をかけてくれました。


搾乳と面会、母としてできる精一杯

面会時間は1日2時間と限られていましたが、毎日欠かさず会いに行きました。
そのために、1日4時間おきに搾乳して、1回あたり約50ミリずつ。
夜中も起きて搾乳を続けました。

「これが今の私にできる唯一のこと」
そう思うと、どんなに体がつらくても怠ることはありませんでした。

生後1日の娘は、私の母乳をシリンジポンプで24ミリ飲んでくれました。
直接飲ませることはできなくても、「私のおっぱいを飲んでくれた」そのことが何より嬉しかったのです。


母としての小さなこだわり

オムツは病院のを使わせてもらえるけれど、私は自分で買って持っていきました。
「娘にできる限り尽くしたい」
それはちょっとしたこだわりでした。

ベビーソープを頼まれるとすぐに持参し、
沐浴の準備を整えてあげるのも私の楽しみの一つでした。
看護師さんが書いてくれるメッセージカードには、娘の様子や好きなことが丁寧に書かれていて、
「トントンしたら落ち着く」「抱っこマンですよ」など、読むたびに心が温まりました。


娘の成長とNICUでの練習の日々

面会の最初の頃は、抱っことおむつ替えが中心でした。
しかし、退院を見据える頃には、
沐浴の練習、浣腸、経管栄養のチューブ固定など、在宅でのケアの練習が始まりました。

担当の看護師さんは、娘に深い愛情を持ちつつ、私にも厳しく丁寧に教えてくれました。
酸素モニターの見方、薬の飲ませ方、シールの貼り方など、すべてを学びました。

当時は、「健常な子を育てたこともないのに、本当にできるのだろうか」と不安でいっぱい。
でも、「娘と一緒にいたい」という気持ちが、何より強く私を支えてくれました。


退院の日、そしてこれから

2ヶ月のNICU生活を経て、娘は退院を迎えました。
出産前に怖くて買えなかった服・バウンサー・ベビーカーも、この頃には準備できていました。
「ようやく一緒に過ごせる」
その喜びは、言葉にならないほど大きかったです。

娘と私のNICUでの日々は、
母としての原点であり、今の私を支える大切な時間となりました。


まとめ

NICUで過ごした2ヶ月は、決して楽ではありませんでした。
けれど、そこには確かに「母として生きる力」がありました。
小さな体で頑張る娘に教えられたのは、「命を信じる大切さ」
あの日々があったから、今の私があります。